自分色を探して欲しい
OluOluな歩幅で
OluOluとは、ハワイ語で心地良いこと、喜び、を意味します。
やりたいと思うことを思い切りやりたい。やらせてあげたい。その気持ちを大切にしたい。
そんな想いからOluOluは始まりました。
「僕もボールを蹴りたいんだよ」
そんな純粋な一言を息子が口にしました。
地域のサッカーチームの練習からの帰り道、道路の白線を見ながら彼は言いました。
生後まもなく脳性麻痺を診断された息子は、走るのが普通の子よりも遅くバランスをとるのも苦手。思うようにチームメイトに追いつけずに、いつもチームメイトの背中を追いかけていました。親としては、「なぜ息子にボールを回してくれないんだ」と心の中で人を責めたり、「いつかもっと早く走れるようになるから、一生懸命頑張ろう」と励ましてみたり。でも、どれも空回りしているのは、自分でもわかっていました。
息子は、妊娠26週で超低出生体重児として生まれてきました。1㎏にも満たず、手のひらにすっぽり乗るほど小さい我が子を、愛おしく感じながらも、脳にダメージを負って生まれてきた彼をこれからどうやって育てていけばいいのか、不安と恐怖に押しつぶされないように必死でした。NICUで懸命に生きる息子を朝から晩まで保育器のプラスチック越しに見守っていたのは、ついこの間のようです。
そんな息子も小学生になりました。
新しい環境になり、所属していたサッカーチームには顔を出さなくなりました。サッカーは大好きだった、でも彼自身がチームメイトと比べてうまくいかない自分に嫌になってしまったことも理由のひとつでした。「ついていけないんだよね」と時々こぼす彼を見てきた私も、通い続けることを強要はしませんでした。
最近はゲームが大好き。遊びに、勉強に、新しいことにも果敢に挑戦できるようになってきました。
でも時々思い出すように、「サッカーがやりたい」とつぶやいていた息子。サッカーが、やっぱり好きだと言います。
良い先生に恵まれて頑張って取り組んできたリハビリの効果も出て、体力もついてきました。でも、他の子たちも当然さらに足が速くなってきています。以前所属していたサッカーチームのコーチはとても息子のことを理解してくれていましたが、チームメイトとの体力的・技術的な差は歴然としているでしょう。
そんな時に、たまたま観た夕方のニュース番組で、CPサッカー(脳性まひ者7人制サッカー)について知ることになりました。残念ながらCPサッカーは2020年の東京パラリンピックでは種目としては外れてしまいました。しかし、世界中の色々な場所で大会は行われているし、日本にも正式にCPサッカー協会に登録されているだけでも7チームあります。
もし、息子がCPサッカーの一員として練習できたら、彼の状態に合った練習ができるのではないか。ボールをたくさん蹴れるんじゃないか。もしかしたら、全日本選手になれる可能性もあるじゃないか。なにより、彼の好きなサッカーを、いっぱいできるんじゃないか!
そう思い立ちました。
昨今では、「バリアフリー」という言葉や「障害者差別解消法」などによって、一見、障がい者にとって以前よりは生活しやすい世の中になってきているように思います。しかし、現実的には、習い事などの小さなレベルにおいてすら、どうしても健常者には理解されにくい箇所が多く生まれてきてしまいます。それは身体的な事、そして精神的な事両方で存在していると思います。
OluOluでは、障がい児が感じるもどかしさを少しでも緩和できるように、「障がい児が主役の、スポーツを中心とした習い事」をする場所を提供したいという思いから生まれました。スポーツを楽しむことで、精神・身体へのプラスの効果が発揮されることは、全ての親の願いではないでしょうか。OluOluは障がい児とそのご家族が周りの目を気にしないで通わせてあげられる場。人と比べる必要なんてありません。
スポーツを楽しんで、心も体も笑顔になれる場所。そのような場を提供することを目的としています。
みなさんも、OluOluに参加して、「なりたい自分になるためのはじめの一歩」を踏み出しませんか?
恩田 もとこ
Onda, Motoko
生まれつき脳性麻痺を持つ息子には、自信を持って、楽しく人生を歩んでいって欲しいと思っています。
息子が生まれるまでは、障がいや障がい者ということに対して全く無知に生きてきました。息子との生活の中で、息子が教えてくれた様々な事や、つないでくれた縁を、障がいのある子ども達のために役立てていけたら嬉しいです。お子さん、そして保護者の皆さん、一緒にスポーツや文化活動を楽しみましょう!
保育士、調理師、ピラティスインストラクターの資格を持っています。
趣味は料理、ピラティス、手芸です。
ウォーク 梨恵子
Walke, Rieko
中学2年生、5年生、3年生の三児の母です。高校生の時から、老人ホームやビーチのゴミ拾いなどのボランティアに参加してきました。この数年間で地域を通して様々な障がい児・者と接するようになって、自分の無力さを色々と思い知りました。
今後は、障がい者と健常者の間の垣根をどうやって低くしていくのかを考えていきたいと思っています。
アメリカでマッサージ師の資格を取得しています。
皆さんにパワーをもらいながら、一緒にスポーツや音楽を通して成長していけたらと思っています。