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OluOlu通信

030号
​2022年2月

マスク越しに梅の香りを感じる季節になりました
最高気温が15℃近くまで上がる日もあれば、雪がちらつく日もあった2月。マスク越しに梅の香りを感じて、視線を上げると小さな梅の花が凛と咲き誇っていました。マスクをずらして胸いっぱいに香りをすいこんだら、体が内側から心地よく感じました。
2月も、OluOluサッカー教室には元気な声があふれていました。

2月6日

 

​この日は公園で開催しました。5人の子どもが参加し、2名の大学生ボランティアの方が初めて参加してくれました!OluOluの活動は、たくさんのボランティアの皆さんに支えられています。子どもたちは、初めての方とも、ボールを蹴り合うとあっという間にワイワイ賑やかになります。

​ この日は、「コーン倒し」でスタートです。サッカー教室ではメジャーな「コーン倒し」ですが、OluOluサッカー教室で取り組んだのは、今回が初めて。普段のレッスン中でも、コーンを倒すのが大好きな子どもたちなので(立ててあるコーンを蹴り倒したりボールをぶつけて倒し、「直してよ~」とよく言われる子どもたちです…)、いっぱい倒してOKなメニューに大喜び!倒すチームと、立てるチームに分かれて、いざ対戦です。

 途中でコーンを追加して難易度を上げて2回戦目に突入。走る、しゃがむ、コーンに触れるという動きの中で、コーンを見て、スペースを探し、ぶつからないように周りにも注意をして…と複数の事に意識を向けなくてはなりません。しかも速さも要求されます。

 最後は「しんどい!」という声が聞こえましたが、最後まで走り切りましたね!

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​真剣そのもの!

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​ナイスパス!

​ 「コーン倒し」で身体も心も温まった後は、準備体操をして、ボールを使ったメニューに取り組みました。

​ まずは、ペアになりパス練習です。最初は短い距離から、徐々に距離を伸ばしていきます。トラップして蹴る、基本的な練習ですが、イメージ通りのパスが出来るようになるために何度でも練習しましょう。

 次は、左右に斜めにパスを出し合います。受ける方は横歩きをして、ボールの到達点を予想して動く必要があります。またパスを出す方も、角度のあるパスの練習になります。足のどこでボールをあてるのか、何度も練習して感覚をつかみましょう。思い通りの位置にパスを出せるようになると、試合でも使える技になりますね!!

​ ペアでの練習の後は、3人ひと組になりパス練習。時計回り、反時計回り、と練習を重ね、最後は全員で輪になってのパスに挑戦しました。ここで重要になるのが、「誰に」パスを出しているのか、名前を呼ぶこと。パスを繋げるには、ただ蹴るだけでなく相手が取れる球を蹴ることも重要になります。最初は「えー、恥ずかしい」と言っていた子も、自然と声が出せるようになってきていて成長を感じます。1つのボールを全員でつないでいく、とても楽しいメニューとなりました。

​ 水分休憩と手指の消毒を挟み、「パス&ゴー」と「シュート」に取り組みました。このメニューは最近よく取り組んでいるため、子どもたちはすんなりと練習に入ることができました。ボールをコーチにパスし、移動をし、パスを受けてシュートします。

 このメニューはなぜ必要かというと、パスを出したら移動をする、という動きを身体に覚えこませるためです。試合では、パスを出した後、次は自分がパスを受けるためや、次のアクションを取るために、ベストポジションまで移動する必要があります。相手とボールの動きをよく見て、また声を出し合って、ボールの到達位置や次のアクションを予想して自分も移動をする、とても難しいことですが、ことがスムーズに出来るようになることは思い通りのプレーをするために大切なステップになるので、何度も繰り返し取り組んでいきたいと思います。

​ そして最後はお待ちかねの試合の時間でした。「パス&ゴー」の練習の直後だったこともあり、パスを出そうをする姿勢が試合中も随所で見られました。基本的な練習の積み重ねの大切さを感じることができた、2月6日のOluOluサッカー教室でした。

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​ドリブル、パスを織り交ぜて攻撃!

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​試合の後は、味方にも相手にも、拍手!

2月26日

この日の東京の最高気温は14℃。穏やかな暖かさで、まさに運動日和!

5人の子ども達、3名のコーチ、そして2名のボランティアが元気に集まり、レッスン開始です。

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​コートを着なくても寒くない!

 まずはウォーミングアップで身体をあたためます。

 この日は「ランニングパス」に挑戦。2人ひと組となり、手でボールをパスしあいながら移動します。初めてのメニューでしたが、みんな真剣に取り組んでいました。はじめはゆっくりと、慣れてきたら徐々に移動速度を上げていきます。ランニングパスは、同時に複数の事に気をつけなくてはなりません。

 1つ目はペアの速度に合わせること。2つ目はちゃんとパスを受取ってもらうため、声がけをすること。声がけが恥ずかしい子もいますので、「いくよ!」や「そーれ!」など、自分にも相手にも分かりやすい声がけを工夫していました。3つ目は、ペアとの距離でボールの強さや方向をコントロールし、相手の移動する位置を予想してボールを投げること。そして4つ目は、他のペアにぶつからないよう移動すること。

同時にたくさんの事を意識するのは本当に大変なこと。最初はゆっくり、そして近距離のパスから始めて、徐々にレベルアップしていきましょう。

 

 

 ランニングパスで程よく身体が温まったら、次に「キックドッジボール」をやりました。みんな大好きなドッジボールのサッカー版です。

センターサークルの中で、外から蹴り入れられるボールを避けます。2個のボールが飛び交い、内野も外野もボーっとしている暇がありません。特に内野は、2個のボールがどこにあるのか注意しながら、ボールを避けつつ仲間にぶつからないように動かなくてはなりません。終わる頃には汗だくになりましたが、「もっとやりたい!」という逞しい感想を口にした子どもいました。

 

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​サッカーで会える大切な仲間!思わず、はしゃいじゃう!

​ランニングパス。みんな良い感じ!

 手指の消毒と水分休憩をはさみ、練習を再開しました。手指の消毒は、すっかり習慣となっている子どもたち。最近は、気が付くと、自分の手にシュッとするだけでなく、後ろに並んでいる仲間にもスプレーしてあげている姿を目にします。サッカーなどのチームスポーツで大切な、仲間への意識が、ボールを持っていない時にも自然と行動として表れている様子に、着実な成長と変化を感じます。

 次に取り組んだメニューは、「パスからシュート」の練習。これは試合にも直結する技術になります。2か所に分かれて並び、片方からのパスでスタート。もう一方はパスを受けたらゴールを狙いますが、ここで“鬼のディフェンス”が来る可能性があります。”鬼のディフェンス“が目の前に居たら、ゴールが阻まれてしまうので、パスを戻します。”鬼のディフェンス“が目の前に居ない時はシュートのチャンス! 素早くシュートの体勢に入りましょう。パスを戻すべきか、シュートすべきかの判断、また、パスを戻すときはペアにそれが伝わるように声かけも必要になります。またペアの子も、パスが戻ってくるかどうか見ていなくてはならないので「パスを出したらその後は知らんぷり」という態度では成功しません。

また、シュートをする時に、パスを受けた位置によっては、ドリブルでシュートをしやすい位置まで移動する必要もある、とても高度で実践的な練習でしたが、みんな良く見て、判断し、声も出ていました! この練習で出来た意識が、この後に行った試合にもプラスに働いていたと感じます。

 

 最後はお待ちかねの試合です。最近は、試合をする時にコートを狭めて行っています。それにより展開が早くなり、また細やかなパスが見られるようになっています。シュートの機会も多くなり、毎回白熱した様子が見られます。

 試合では毎回、嬉しい気持ち、そして色々な悔しい気持ちが入り乱れます。自分が得点を決められて嬉しい気持ちはもちろん大切。でも、チームスポーツは「自分が点を入れればいい」というだけではありません。パスを回す、ディフェンスに徹する、チームが機能してこその勝利です。また負けてしまった時も、「誰かのせいで負けた」わけではありません。今回の試合で、オウンゴールをした子がいました。「みんな、ごめん」と涙を堪えて言うその子に対して「ドンマイ、気にしないで」と言った子がいました。どちらの子の言葉も、素晴らしいスポーツマンシップを発揮していると感じて、とても嬉しかったです。

 試合後の「さよならあんころ餅」でのあいさつの時、コーチからたくさんの「グリーンカード」が出されました。「痛かったけど頑張ったね」「あの言葉良かったよ」「我慢強くなったね」。コーチからの言葉に、はにかみながらも誇らしそうな子どもたちです。サッカーをしている中で味わう​嬉しい気持ち、楽しい気持ち、悔しい気持ち、モヤモヤする気持ち。色々な気持ちを感じて、言葉で伝え、共有して、少しづつお互いを認め、仲間との絆を強く感じる。そんな時間になれるよう、見守っていきたいと思った、2月26日のOluOluサッカー教室でした。

​ペアへの声がけもバッチリ!

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​試合中もパスが頻繁に見られるようになってます

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​⚽観戦報告⚽

第10回 日本アンプティサッカー選手権大会2021

 皆さんは、アンプティサッカーをご存知でしょうか? アンプティサッカー(amputee soccer=切断者サッカー)は、病気や事故により上肢又は下肢の切断障がいを持った人々により行われるサッカーです。
​フィールドプレイヤーは下肢切断者がクラッチと呼ばれる医療目的の杖を使いながら行い、ゴールキーパーは上肢切断者が務めます。

 試合は、40m×60mのコートで、7人制、50分間(25分ハーフ)行われます。ルールは一般的なサッカーとほぼ同じですが、オフサイドがないことやスローインではなくキックインであること、ゴールキーパーはペナルティエリアから出てはいけないなどアンプティサッカー特有のものもあります。(大会パンフレットより一部抜粋)

 この度、OluOluの活動拠点である品川区からほど近い、神奈川県川崎市で、アンプティサッカーの日本選手権が行われるとのことでしたので、会員の皆さん、コーチ、ボランティアなどにもお知らせし、新型コロナウイルス感染対策を取りつつ観戦してきました!

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【編集後記】

​梅の花が満開を迎えるころに、小さい緑色の鳥が梅の木にとまっているのを目にします。この鳥はメジロ。目の周りが白く縁どられているのが名前の由来です。緑色なのでこの鳥をウグイスと思いがちですが、ウグイスはもっと大きくて色がもっと灰色がかっています。ホーホケキョとは鳴きませんが、メジロの鳴き声も可憐で、春の訪れを感じさせるものです。都心でもよく見かけることができますよ!

 

2022年2月19日-20日
会場:富士通スタジアム川崎​

 約2年ぶりに開催となった今回の大会。新型コロナウイルスの影響で、出場を辞退したチームが複数ありましたが、出場を辞退したチームからも個人参加として試合に出ている選手もいらっしゃいました。​

 今回、縁あり、始めて試合をコートで観戦することができましたが、まず驚いたことは、選手たちの迫力です。とにかく速い! そして激しい! 躊躇せずにボールを奪いに飛び込んでいく選手を見て、思わず見ている自分が「痛い!」と言いそうになってしまうくらいです。とても白熱した試合でした。

​『サッカーなら、どんな障害も越えられる。』(一般社団法人 日本障がい者サッカー連盟)

 

 OluOluでは脳性麻痺者のCPサッカー、そして視覚障がい者のブラインドサッカーとも繋がりを持ってきましたが、選手の方々に共通するのはサッカーを楽しみ、真剣に向き合う姿です。今回のアンプティサッカーの試合からも、「サッカーが好きだから頑張れる」という想いがあふれるプレーをたくさん目にしました。

​ 障がい者サッカーの団体は、全部で7団体あります。まだ見たことのないサッカーもOluOluの仲間と一緒に見てみたいと思いました。

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